トンボとそら         【練馬混声合唱団 委嘱作品】                

         
混声合唱曲集 トンボとそら  まどみちお 作詞  信長 貴富 作曲

                           指揮 高瀬新一郎  ピアノ 遠藤 直子

                  初 演  創立40周年記念 第39回定期演奏会 Ⅲth Stage  


  
      混声合唱曲集 トンボとそら   1.てんぷら ぴりぴり 2.に じ 3.なにもかにもが 4.トンボとそら


 


  

  <てんぷら ぴりぴり> ほら おかあさんが ことしも また てんぷら ぴりぴりあげだした  みんなが まってた  シソの実の  てんぷら ぴりぴりあげだした
     
             ツクツクホウシが  けさ ないたら  もう すぐ ぴりぴり あげだした  子どものときに おばあさんから ならった とおりに あげだした

             秋の においの シソの実の  小さな かわいい  つぶつぶの  てんぷら ぴりぴりあげだした



   

   

   <に じ>   にじ   にじ   にじ   ママ  あの ちょうど したに  すわって   おかあちゃんに  おっぱいあげて



   

      

<ゆ び> ひざのうえに てをひろげてみるたびに むねがつまる ちいさなゆびたちが わたしに さいた わたしのはなの はなびらででもあるかのように いきをしているのだ

     ほこらしそうに しあわせそうに からだを よせあって  まるでこのわたしから どんな いやらしいことも どんな なさけないことも させられたことが なかったように 



   

   

   

   <なにも かにもが>  ムクゲがかきねにさいている なにやらきらくに にほんごで  あきちに ポピーがさいている ひなたぼっこしながら えいごで
     
                                      ポプラが きらめきゆらめいている いわしぐものそらに にほんごで えいごで

          バオバブが どっしりと立っている アフリカの げんちに げんちごで 小さなタンポポがひとり まいごでいる こんな石だたみのすきまに にほんごで 

         (などとにほんごしてるのは にほんごのぼく) ほんとはみんな じぶんごしてるんだ なにかにもが ちきゅうごで それとも きづかずに うちゅうごを


   

   

   

   <トンボとそら>  トンボが とびさった あとの  ひさしの かどに  そらが おりてきている

                   トンボが そこに とまっていた ことの きねんのように  いつでも だれの ときにでものように

                                   いつでも だれの ときにでものように  さびしそうに  ひかって





                                      ※ 信長貴富さんの委嘱作品に対する自らの解説文・・・

        



                                     ※ 信長貴富さんが練馬混声合唱団の練習を見学した日・・・

   

       


                                                  トンボとそら